今回は、少し手入れするだけで、庭がぐんと美しくなる、夏の庭のお手入れ方法をご紹介します。
庭の印象を美しく保つには、手入れのコツがあります。それは、植物の生長サイクルに合わせて、手入れをすること。
春から夏に茂った部分を初夏に、夏から秋に茂った部分を初冬に剪定するのはそのうちの一つです。
特に、春から夏にかけては植物が最も生長する時期。何もしないでいると、あっという間にぼうぼうに茂って、見た目もよろしくないですし、風通しが悪くなり病気や虫が発生しやすくなります。蚊も多くなって近づきたくなくなります。
せっかく植物が植えられていても、それでは精神的にマイナスの効果にしかなりません。
春から夏に茂った植物、特に低木や草花類はぜひカットして整えましょう!
なるべく涼しい時間帯に、蚊取り線香を2~3個置いて、1時間くらいがんばると、庭がぐんと美しくなります。
実例のご紹介
初夏にお手入れした例をご紹介します。
手入れ前の様子。春から7月初旬までの間にとても茂りました。茂った部分がくっつき圧迫し合って、風通しも悪く、陰になってしまう植物も出ています。
植栽されている主な植物は
ツリバナ
アジサイ アナベル
ジンチョウゲ
オタフクナンテン
ビバーナム ティヌス
ギボウシ、クリスマスローズ
などです
伸び過ぎたところや、混み入っている部分をカットしていきます。 個々の植物のバランスと、全体のバランス両方を見ながら、割と大胆に剪定します。
コツは、丸刈りにせず、混みあっている部分を間引いて、風通しが良くなるようにすることです。
剪定スタート!
具体的な手入れをご紹介します。
■アジサイ アナベル
剪定前
剪定後
枝の数を約半分に減らす。
減らす枝はなるべく地際からカットして、枝の密度を減らすようにする。
花のついている切られた枝は、そのまま部屋に飾る、ドライフラワーにするなど利用できます。
■オタフクナンテン
剪定前
剪定後
半分くらいのボリュームになるように、ざっくりとカットする。
丸刈りのような揃いすぎた形にならないように気を付ける。
■ジンチョウゲ
剪定前
剪定後
かなり茂っているので、高さを切り、枝を間引いてボリュームが1/3くらいになるよう、思い切って剪定。
ジンチョウゲの剪定は、花後の5月頃までに行うのが理想です。このジンチョウゲは剪定適期を過ぎて来年の花芽が出ていたので、花芽をある程度残すように剪定しました。
■ビバーナム ティヌス
剪定前
剪定後
かなり茂っているので、高さもボリュームも約半分になるよう、強めに間引き剪定。
■その他
シンボルツリーのツリバナ、下草のクリスマスローズやギボウシは極度に茂ってはおらず、見苦しくないので、今回は何もしませんでした。
失敗しても、大体の植物はまた生長するので大丈夫。こわがらずに手を入れて、少しずつでも上達していければ良いと思います。
1時間くらいの作業でこのとおり。
剪定前後でくらべてみましょう。剪定後はかなりすっきりして、風通しも良くなりました。
剪定前
剪定後
■アベリア コンフェッティ
少し離れた場所のアベリア コンフェッティ(4株が一まとまりに仕立ててある)もとても茂ってしまったので、あわせて剪定しました。
最初に、伸び過ぎて飛び出している部分を強めにカット。
次に、茂って過密になっている部分に剪定ばさみを突っ込むようにしてカットして、密度を薄くする。
自然な仕上がりを目指して、丸刈りの整い過ぎた感じにならないように気を付けました。
剪定前
剪定後
剪定後はさっぱりとして気持ちの良い空間になりました。
心地良いグリーンは心を癒してくれます。蒸し暑い夏を少しでも気持ち良く過ごせるように、少しだけがんばりましょう!
自然石の石張り
余談ですが、この庭の石張りは自然石を使用しています。
通常の、落ち着いた白っぽいアースカラーも良いですが、水に濡れると色合いがしっとりと美しくなります。
憂鬱な雨の日も、しっとりと美しい石張りを歩いて出かければ、それだけで気分が上がります。
通常の状態
雨に濡れた状態
自然石は年月が経って古びても、渋い風合いが出てそれはそれで良い感じ。
庭に使用するなら自然石が断然おすすめです!